2015年12月31日木曜日

某学生プロジェクトの忘年会

一人で自由に行動するのが大好きなわたしも、大学一年生の冬から二年生の春にかけて、ある国際会議の学生プロジェクトのメンバーとして活動していた時期がありました。

こう書けば何かカッコいい感じがしますが、あまりにも周りの学生がハイスペック(賢い×仕事早い×体力モリモリ)だったので、自分はさして何もしていないのにも関わらずプロジェクトは大成功のうちに幕を閉じてしまい、自分の無能さに絶望した時期でもあります。

今でもはっきりと覚えていますが、わたしがそこでやった仕事は最後の打ち上げ会場の確保と、大使の車を停める駐車スペースを大学にもらいに行ったことくらいです。

昨日は、そんな素晴らしい出会いとほろ苦い思い出の詰まったプロジェクトの忘年会がありました。


活動中は空気のような存在であったことから、「誰もわたしのことを覚えていないんじゃないか」という不安が絶えず頭をよぎり(Facebookの招待が来たことさえ奇跡だと思った)、行くかどうか迷っていましたが、

あのハイスペック学生たちがどのような進路に進もうとしているのか非常に興味があったので、勇気を振り絞って参加を決意。

ぎこちなく待ち合わせ場所へ向かうと、(何人かに自己紹介をしたものの)ほとんどがわたしのことを覚えてくれていました。記憶力も良いなんて。

進路を聞くと、官僚や弁護士をはじめ、某財閥系商社から内定していたり、アフリカで持続可能なビジネスしようと目論んでたり、開発コンサルタントとして世界を飛び回っていたり、政治家になる資金を貯めるために外資系投資銀行で働くことが決まっていたり、
2年前と変わらず夢と希望と活気に満ちた方々ばかりで、なんかもう、この時間を共有させていただいてありがとうございます、ははあ!とひれ伏したい気持ちになりました。

すごいなぁ、自分はどうだろうなぁ、と思いながらラムコークをひたすら流し込んでいたら、

「エリカちゃんは今何をしているの?」

と思いがけず聞かれ、

「週4〜5でダンススクールとヨガスタジオに通って、筋肉バカになりかけています」

とは言えず、

「ダンスをしたり、海外旅行したり…。あ、モロッコ行ったことありますか?おすすめですよ〜」

などと言って話を逸らしました。

それでもやっぱり、人には人の特長や得意分野があるわけで、わたしは長身を生かすため見た目に気を使いつつ、彼らほどではないそこそこの頭と掛け合わせて試行錯誤しながら生きていくのも間違いではないかな、と思いました。
同じ土壌でなくてもね。

卑屈にならず、自信を持って再会を果たせるような自分になれるように、2016年も生きていこうと思います。

それでは読者のみなさま、よいお年を。
ちなみにわたしはガキ使派です。

2015年12月25日金曜日

出会いのゲシュタルト崩壊と意味づけ

昨日、大学の最寄駅で降車した直後、京都に住んでいるはずの友人とこれ以上の偶然は無いだろう、というタイミングでばったり会った。粋な神様がクリスマスイブに小さな奇跡を起こしてくれたのかと思った。

一方、今週は合計で3度、電車内で勢いよく嘔吐する団塊世代のサラリーマンに出くわした。悪戯な魔王が見慣れた車内を三途の川に変化させるという、これまた小さな奇跡を仕掛けたのかと思った。


最近、人と会ったり、人が集まるところに行くと、「なんで今、わたしはこの人と会うことになったのだろう」と必死に考えてしまう。

偶然の出会いを分裂させようと脳が働いている。
「出会いのゲシュタルト崩壊」とでも言うべき現象が起きていると認識するのは初めての経験。

と同時に、その現象が起きているのは、それに先立ってただの偶然の出会いに「意味づけ」をしたがる人間の習性の仕業であるからにほかならないとも思う。

ゲン担ぎをしたり、占いや運命を信じたり、なぜ人間は自分に起きた現象をそのままの現象として、すんなり受け入れることができないのでしょうか。

それは多分、自分の人生にストーリーを求めているから。
伏線があればあるほど、物語は面白くなる。(それを全て回収仕切れる保証は一切ないけれども。)

つまり、ただの日常だって考え方、語り方次第で面白くすることができる。

今は、その可能性を最大限に追求するための一つの手段として、ブログ記事を書き続けていきたい。

おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり(高杉晋作)


みなさんに素敵な物語が舞い降りますように。メリークリスマス。

2015年12月23日水曜日

「モテる条件」

本日は大学の友人Wくんと晩ご飯を食べながらおしゃべり。


身長183cmというモデル並みのスタイルと甘いマスク(例えば、彼が着るユニクロはラルフローレンに見える)、

そして、日本人離れした饒舌な口説き文句と、日々の読書で獲得した知性を武器に、狙った獲物を片っぱしから撃ち落す、まるでスナイパーの彼は、恋愛を初め人間関係に関する巨大なデータベースを所持している。

それなので、人との関係に悩むようなときは彼と話し、
「この事例と似てるから、こうするのがオススメ」というアドバイスをもらうのと引き換えに、わたしの事例をデータとして差し出す、というWin-Winの交換作業を行うのが恒例となっている。

そんな彼を前に、改めて「モテる条件」というのを考えてみた。

彼が言うには、「男女関係なく、適切なTPOで相手をキュンとさせることができる」ことらしいのだけれど、

美男/美女は、ただ口角を上げただけで相手をキュンとさせることができるのに対して、

社会が規定する美学に反する容姿の人々は、ただ微笑めば相手に不快感を与えてしまう危険性をも孕み、おそらく膨大な努力を積まなければ、相手をときめかせることなど難しいだろう、ということを考えると、

その条件をクリアすることだけを取っても、やはり容姿や見た目の印象の(最初の)点数が影響するのは事実だよなぁ、と煌びやかに言葉を並べる彼を見ながらふと思った。

さらに、相手を思いやってこそキュンとさせることができるのかと思いきや、

「相手の事情に気を遣い始めたら負け、常に相手の一歩先をリードするのが勝ち」だと言う。

…天文学か何かの一部?

混乱したわたしの顔を見て余裕綽々に微笑む彼の表情を捉え、社会がいつまでも不平等である理由を少し理解した気がした。


P.S. 祝 100本目の記事!いつもご愛読ありがとうございます。

2015年12月22日火曜日

海外経験を通して視野が狭くなった話

就活で、「留学したのは、視野を広げたかったから」と主張しまくっていた日々を思い起こすと心苦しいタイトルですが。


ここで意味する「視野」とは、主に「交流する人の範囲」のことです。

もともと、「浅く広く」を人間関係の基本としていたわたし。

友達がとにかくたくさん欲しい!、Facebookの友達は多ければ多いほうがいい!、そう思ってました。

しかし今は完全に「深く狭く」。
人数は少ないですが、その代わりにじっくり向き合うようになりました。

留学や海外旅行を通して得た経験は、その変化の重要なきっかけです。

様々な価値観やバックグラウンドを持つ人と触れ合い、
愛され、傷つけられ、を環境を変えて何度も繰り返した結果、
  1. 見返りを求めない心遣いは至上の喜びを生み出す
  2. 自分を守るために、人を傷つけてはいけない
この2点が、わたしの最も重要な、人間関係形成基準となりました。

しかし、これらを実行しようとすると、どうしても交流する範囲を狭める必要があります。

人数が多いままだと、「見返りを求めない心遣い」は雑になるだろうし、
いろんな人を相手にしているために忙しくなった「自分を守るため」に、連絡を怠ったり(例えば誕生日を忘れたりして)、無意識のうちに他人を傷つけてしまうかもしれない。

交流圏内への加入/退会については、「来る者拒まず、去る者追わず」状態。
嫌なことをされたら別ですが、流れに任せます。

まだまだ修行が足りないけれど(恋愛においては難易度アップ)、このスタンス自体には満足しています。人生なんて基本縁。


ところで、価値観についても、視野が広くなったのか、むしろ狭くなったのか微妙なところではあります。

色々な価値観に触れたというだけで、果たして視野が広がったと言えるのか?

実際、わたしはこれまで出会った全ての価値観を受け入れることはできなかったし、
これからも受け入れられない考え方に鉢合わせることは多々あるだろうと思います。

けれども、ある価値観を受け入れるのか受け入れないのか、それを決める自分のブレない価値基準は常に持つ努力をするようになりました。

基準を定めるということは、許容範囲を狭めるということでもあります。

その意味では、価値観も狭くなったと結論づけることも可能です。


とすると、「視野が狭くなる」ことは必ずしもネガティブではない?
なんて、考えてます。

「視野が広がる」という言い方は色んな捉え方があるので別として、

留学などの海外経験は自分のスタンスを定める良い契機になる可能性が高いのではないか、というのが最近思うところです。

久しぶりに真面目なこと書いてみました。

実は99本目の記事でした。

それでは。

2015年12月19日土曜日

No title No.13

そういえば昨日、Yくんと同じく高校時代の塾と大学が一緒のSくんと4か月ぶりに会ってお昼ごはんを食べました。

これは先日名古屋で食べた味噌煮込みうどん

熱血漢の彼はといえば証券会社に就職を決めたそうで。

「勤務地の希望はやっぱり東京?」
と聞くと、

「いや、どこの支店に配属されても営業トップ取ってきます、って人事に伝えてある」

あの就活を経ても捻くれない真っ直ぐな彼の性格に心を打たれる。また見つけてしまった。伝統的日本男児。

しかしその後まもなく、
「新卒はダイヤモンドの原石なんだ!」
とか突拍子もなく言い始めたので、さすがにこれは熱すぎる、と感じ、

と、話題を変えたいというメッセージも込めて返事をすると、

「この話に乗ってくれた人は初めてだよ!」

なぜか感謝された。

「あ、そういえばAさん(わたし)、この前より目がキラキラしてるね!」
とさらに不思議なことまで言われて、彼のことが少し心配になったので、

「君の瞳が将来への希望で輝いてるから、そういう風に見えるだけじゃない?」

と、熱い男にクサい言葉で返すのは止めにして、

「今日コンタクトを変えたばかりだからかな。もしくは、ドライアイが治ってきたからかも。」
とだけ答えておいた。

メモ
  • 日本男児、根本的には変わらない?
  • 対照的な人を目の前にすると自分の特徴を把握しやすい。自分を見失ったときの有効策。

2015年12月18日金曜日

No title No.12

今後の記事を書きやすくするため、ここで簡潔に近況報告をしておきます。


  1. 大学(週2)
  2. ダンス(週3)
  3. 本の英訳

最近は主にこの3つのことしかしていません。

必然的に自宅で過ごす時間が長くなり、自分の個性がアイスピックのように鋭くなってきたのを感じます。

それでも付き合ってくれる友達が数人いるのがとても幸せです。人生をかけて大切にしようと思います。




1月11日に、学生最後の記念にダンスの発表会に出ることを決意したのはいいものの、メンバーの平均年齢は弱冠18歳(最年少は中2)。わたしは22歳。

一番年長にして、一番下手クソ(キッズのほうが上手いことがよくあること)という、
なんとも惨めな状況に置かれています。

スキルの差をひしひしと感じ、これでは本番で迷惑をかけると思ったので、ぴちぴちの17歳(高2)に「お忙しいところ申し訳ないのですが、一緒に個人練習してください」と頭を下げることに。

出来の良すぎる後輩を持つ社会人の気持ちを入社前にして体感できました。




学生最後の春休みの予定を決めました。

多くの学生が、サークルやゼミの仲間たちとヨーロッパや南米に卒業旅行に行くところ、わたしは一人でアメリカに飛びます。

ノースカロライナ州の田舎町で、ヨガのインストラクターの資格(RYT200)を取りに行くのが目的です。

これに関しては留学のときと同じくらいリサーチしたので(2日間まるまる使った)、時期が近づいてきたらまた改めて記事を書きたいと思います。

1日10時間超のレッスンを3週間みっちり受講したあと、なんと再びメキシコに行ってきます。
ここでスペイン語が堪能な大学の友人と合流する予定です。
今回は1週間のみ。

というわけで、2月7日からまるまる1ヶ月、また異国の地で日記を書くことができそうです。お楽しみにしていただければ幸いです。

それでは。

2015年12月15日火曜日

おすすめアンティークショップ @名古屋

留学から帰ってくる高校時代の親友ゆうかを中部国際空港で待ち伏せするため、13、14日と名古屋に行ってきました。

ちなみに、高校の友人で定期的に連絡を取っているのは合計二人。ちょっと少なめかな。まあ十分か。

 (新幹線で書いたプラカード。ツッコミを固く禁ずる。)

到着よりかなり早く着くようにして、今の密かなマイブームであるアンティークショップ巡りをしました。

また来たい、と思えるお店が2つあったのでご紹介します。


1.アンティークマーケット吹上

なんとビル一棟(7階建て)がまるまるアンティークショップ。

日本でも珍しいショッピングモール形式、というのが特徴です。


国やジャンルを問わずとにかく色々なアンティーク商品が無造作に置かれていて、まるで誰かの秘密基地に入ったよう。

ヨーロッパのヴィンテージアクセサリーが欲しかったのですが、学生の分際では手が届かない代物ばかりで意気消沈…。

その代わりに購入したのが、CITIZEN腕時計の文字盤4枚セット。
(なかなか買う人がいないのか、会計の際店員さんに用途を聞かれた。)


その後ユザワヤに直行し、金属どうしをくっつけられる接着剤とピアスポストとキャッチを購入。


文字盤とそれらをくっつけて、ピアスにしました。


ちなみに上の写真でつけている金色のネックレスもここで購入したものです。
1000円しませんでした。


掘り出し物や、自分のアイデアを広げて色々加工できる商品を見つけるのが楽しい。

<アクセス>
〒 464-0855 名古屋市千種区千種通7-24 
吹上ヒストリービルディング全館
OPEN 10:00 ~ 19:00 水曜定休 (祝祭日の場合は営業) 


2.Fuligo shed

こちらはこれからアンティークになるような商品ばかりを展開中。
お値段は大体1万円強から。

目を引いたのは婚約&結婚指輪。

大手のジュエリーブランドでは量産できない様々な形のダイヤモンドの用意があり、自分の好きな種類をカスタムして指輪を作ることができるらしい。

アクセサリーに基本5000円以上出せない(そもそも結婚する予定もない)女子大生二人組相手に、結婚指輪とダイヤモンドの知識を惜しげも無く披露してくださった店員さんも親切だなぁ、と思いました。

こだわりたい人にしっかり応えてくれるお店だと思います。ぜひ。

<アクセス>
〒460-0008
名古屋市中区栄3-19-5 BUILD ZERO 2F
営業時間 : 12:00~20:00 無休


それと、どうでもいいのですが、

「アンティーク好きなら、これあげる」と母から渡された指輪が、とても気に入ったのですが、左手の薬指にしかはまりません。むむ。


聞くと、これは昔むかし父が母にプレゼントした指輪だそうで、父の念がこもっていると知って、納得しました。

2015年12月12日土曜日

No title No.11

同じ大学に通うぴーちゃんに誘われて、料理教室の体験に行ってきました。


茶髪にロングの巻き髪で、真っ白な肌を持つキラキラの女子大生であれば、「楽しかったー!これからは料理しよっ☆」というコメントつきでInstagramに写真をアップするのかもしれません。

が、留学生活も学食中心で乗り切ったわたしの率直な感想は、

「こんなに手がかかるなら、買います!」

でした。
お母さんごめんなさい。

「作ってるうちに(その料理に対して)愛情が湧きませんか?手作りの良さですよね」
という先生の言葉にも、

「え?結局は跡形もなく食べちゃうんだから、愛情なんてあったらむしろ辛くないですか?」
と思いました。

加えて、「女として生まれたからには、料理って逃れられない運命じゃないですか」という言葉には、

そこ、性別できっぱり区切るのはどうなんですか!
男性にも料理好きな人はいるし、好きな人が好きなレベルでやればいいんじゃないですか!
苦手な人は他人の力を借りてもよくないですか!

と、感情の高まりが頂点に。

そんなことを言っても、性別によって向き不向きが分かれる仕事ってやっぱり存在するよな、という自分の意見もあり、
未だに女子の仕事として根強く認識されている家事スキルと、その分野に対する(女の)自分の苦手意識をどう両立させたら良いのか、ジェンダーによる役割区分を規定する難しさを改めて感じました。

とりあえず、わたしは、必要に応じてクックパッドを使うことにします。

2015年12月11日金曜日

No title No.10

定期入れが神隠しにあいました。

「何も悪いことしてないのに…」
と、一緒に入っていた学生証、ダンススクールの会員証、そして損失額6000円を想いはらはら涙を流していると、その姿を見て呆れた母から、

「悪いことしてなくたって悪いことは起きるんだよ」

と、考えてみれば至極当然の指摘を受けました。


さて、わたしは中学生になったくらいの頃から、「平均的な寿命を全うする人であれば、人生における良いことと悪いことの差し引きはプラスマイナス0になる」というある種の哲学を持って生きています。

このおかげで、やさぐれずに常に誠実に生きようと軌道修正するモチベーションを保つことができています。(と少なくとも思っている。)

(事件・事故・病気によって寿命を強制的に縮められた人に対しては、輪廻転生を信じて、「彼らはすぐに生まれ変わって素晴らしい人生を送るんだろう」と考えます。今のところは。)

そもそもこれらを証明するのは(まず死ななければならないので)不可能なのですが、そうでもして無理やり正当化しないと、やってられません。

だから、今回のことも例に従えば、良いことが起きる兆候、もしくは何かの償いということになりますが、

ただの不注意です。参ったなこりゃ。


追記:

結局戻ってこないので再発行しました。
定期券のチャージは120円あったはずなのに、


残金は5円になっていました。
つまり115円が「物販」に使われたようです。

だから結局、神隠しとは真逆の、悪魔隠しにあったのですね。

2015年12月9日水曜日

発想力鍛錬ワークショップ

11月25日の出来事をどうしても書きたい。二週間経っているけれども書く。

ケアンズから帰ってきた翌日で体調不良、そして冷たい秋の雨がしとしと降る日に、

同じく帰国したばかりのおなじみMとふらふらしながら日経「星新一賞」×ダ・ヴィンチによる「発想力鍛錬ワークショップ」に参加した。


メインイベントは、各学生それぞれが30分弱 でショート・ショート(超短い物語)を書き、優秀作品を選ぶコンテスト。

予選は2回、学生によって選ばれ、最後の決勝に残ることができるのは100人中5人のみ。

なんと、微熱を伴ったわたしの頭の中から生まれた作品が、その最後の5人に選ばれた。

5人は100人の前で自分の作品を朗読しなければならないという。

朝起きて、あまりの体のだるさに参加するかどうかさえ迷った当時の状態を説明しておく。
寝癖の残った髪型と適当に手に取った服。生気のない顔色。厚さ10000分の1mmにも満たない薄化粧。

「熱帯雨林からやっとの思いで生還してきました!」と言わんばかりの状態であった(実際そうである)が、仕方がないので、できる限りハキハキと、自信があるように発表した。

Mは「良かったよえりぴょん!」と励ましてくれた。
やっぱり持つべきものは友だぴょん。

さて、後の懇親会にて結果発表。
最優秀賞、優秀賞、そしてゲストの作家、田丸雅智さんによる田丸雅智賞に選ばれた学生は表彰される。
つまり、5人中3人。勝率にして60%。

お、これは…!
期待が高まる。

…呼ばれなかった。
残りの40%になってしまったわけである。まあ人生そんな上手くいくもんじゃないよ。

と思いつつ、景品と賞の名前が記された楯を幸せそうに抱え込む3人が視界に入る。

「せめて、朗読賞くらいくださいよ!」

とは言えないので、
「あの、原稿だけでも返していただけませんか」とお願いしたところ、
「あ、ハイ」、とさらっと手渡されて、さらに落ち込んでしまった。

そんなこんな日の唯一の収穫は、朗読後、結果発表される前に日経の社員から受けたインタビュー。

記者「あの、先ほど朗読されていましたよね?インタビューさせていただきたいのですが!」

わたし「あ、はい。喜んで。」

記者「なぜこのワークショップに参加しようと思ったのですか?」

わたし「ブログをやっていて、ネタを広げるきっかけになると思ったからです」

記者「へえ!ブログやっているんですか!どんな内容なんですか?」


思い出す。
就活時、日経の記者職の一次面接で、
「ブログやっています」と、言ったとき、
「ふうん、それで?」という反応をしたあの面接官の冷めた顔。

今、彼らと同じ会社で働く社員が、わたしの(同じ)返答に、頬を赤らめ、興味深々になっている!
ほら、逃がした魚は大きいんです!

5人中の不幸な2人になってしまったけれど、崩壊寸前の自尊心をガムテープで補強することには成功。


可哀想なわたしの作品、改めて読み返すとよく残れたもんだと思いますが、せめてここに載せておきます。


「飲料歌」
 ペットボトルに入った液体を飲むと、ラベルに書いてある曲を歌えるようになる。一曲一本、ボトルタイプで販売されており、それぞれ味は異なる。飲んだ直後に他人にその歌を聴かせると、聴いている人もその味を楽しめる。
 注意点として、その味覚を思い出すと思わず口ずさんでしまうので、静かな電車内などでは人々の視線を浴びることになる。また、カラオケにジャンルの異なりすぎる 曲(バラードとロックなど)を続けざまに歌うと、飲み合わせが悪く部屋にいるメンバーを悪酔いさせてしまう。