(写真はボストン大学)
誰かが専門用語を口にするたびに、聴衆は「うんうん、分かる分かる。知っていて当然だ!」とオーバーに首を縦にふる異様な光景が見られ、学問に生涯を捧げる人々の、プライドと意地が終始ぶつかり合う壮絶な場であった。
そのあとの懇親会で、大学2年生のときに英語を教わっていた先生と偶然お会いした。
「あの、先生の授業受けていたんですけど、覚えてらっしゃいますか?」
勇気を出して尋ねてみると、
「ああ、うっすら覚えているよ。あのときとは髪型も違うし、化粧も上手くなったね。」
と、化粧道具と言えば下地とアイシャドウしか使っていない顔に向かって言われたので、2年前はどんなにひどい化粧顔をお見せしていたのだろうかと申し訳なく思った。
ちなみにブログのプロフィール画像はちょうど2年前の当時のものなので、早急に変更したいと思う。
話題を変えようと思い、
「そういえば、あの当時読んでいた、E・H・カーやハロルド・ニコルソンの文章はとても難しかったのを覚えています。」
と、彼方にあった記憶をかろうじて呼び起こして言うと、
「ニコルソンの奥さんってレズビアンだったんだよ。しかも相手はウルフ。」
とあまりにも予想外の返事が返ってきた。
「え、でもハロルド・ニコルソンはゲイではなかったんですよね?」
と咄嗟に質問すると、
「いや、彼もゲイ。文章読んでてゲイっぽいなって思わなかった?」
と突っ込みどころ満載の返答をいただいた。
学術書を読んで、著者が同性愛者だと分かるレベルにはわたしは達していないようだ。(別に達したいとも思わない。)
先生との会話のおかげで、その当時のイギリスのゴシップやスキャンダルをもっと調べてみたいと思ったが、全世界の大学教授のコミュニケーション能力を数値化したいとも思った。
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