2015年4月11日土曜日

エリートの死角

久しぶりの投稿となりました。

さてさて、先月から就活が解禁しましたね。


留学していても大学を4年間で卒業するつもりでいるので、この4月から4年生となるわたしも就活生となるべく活動を始めました。

手始めに受けたのが某IT大手企業のインターンシップ。
その応募時に少し疑問に思ったことがあるので、今回のお題はそれについてです。

そのインターンはヘルシンキ大学の休みとも日程が被っていたので、一時帰国することも考えながら選考を受けてみることに。

とりあえずエントリーシートは通過し、次は電話面接。

ここで、疑問に思うことが一つありました。



面接官「この職業を通して果たしたいことや目標はなんですか?」

わたし「専門的な知識を持って、社会や組織に必要とされる掛け替えのない人材になり、社会に貢献することが目標です」

面接官「それは誰もが思う当たり前のことで、特別なことではないですね」



わたしはどうしても自分の言った目標が「当たり前」であると思えなかったんですね。

なぜかと言うと、幸か不幸かわたしの生まれ育った地元は割と「自分の生活のために働いている」人が多かったからです。

ベトナムやモロッコ、中国へ旅行に行った時は、もっと多くの人がそう思って働いていると感じました。

また、「掛け替えのない人間」というのは「当たり前」と思えるほど簡単になれるものだとも思えません。

専門的知識と経験を(労力と縁で)得て初めて、個人が市場価値を持てるものだと思うからです。
努力も運も必要なんて、そう簡単なことではないですよね。

世の中人員交代のきくもので成り立つ仕事がほとんどなのでは、とわたしは考えています。


ここでピンと感じたのは「エリートの死角」です。

いわゆるエリートと言われている人は、「社会のために働くことが当たり前」という意識を自然と持っているようですが、

思うに、それは自分の生活が充足しているからこそできること。

日本の大半、いや世界の大多数の人々は、社会を考える前にとにかく自分の生活を成り立たせるようと必死に働いていると私は感じることが多かった。

大多数の人間ができていないことを「当たり前」と言ってしまうのは、今までの育ちの良さを感じさせると共にちょっと視野が狭いというか。

わたしの通う私立大学の学生も裕福な家庭の中で育った人が多く、社会的地位の高い人と接することを常に望む学生が多いように感じます。
(そのために大学内でも「誰と付き合うと得か」を考えて人選し合う風潮あり。)

エリートは自分より地位の低い人と付き合う機会が少ない(そういう機会を望んでいない)ので、規模の大きな仕事はしているけれども社会の大部分を見失っている可能性があるのかなと。

政治家が「国民のために」作った法律案と民意がずれていることが頻繁に起こるのも、これと似たような状況かと。


ちなみに、「留学で様々な価値観の学生と出会った」というのも、わたしは要注意だと思っています。

国籍や育った環境が異なることに関連する価値観の違いは確かにあると思うのですが、

【留学できる資金力がある→世帯収入レベルが高い→同等の社会的地位】

というフローを描くことができるため、文化の価値観の違いはあれど、結局は育ちは同じレベルということで、社会的ステータスを超えて視野が広がるということはないと個人的には思います。

ポジティブに言い換えると、国内でも年齢や場所を問わず色々な人と繋がりを持つことで留学並み、いやそれ以上の価値観の幅を持てる可能性があります。

それなので、田舎や途上国への現地の人と触れ合えるようなボランティアや旅行をすると、そういう意味で感性が磨かれる気がしますね。


結局、選考中にこんなこと考えていたからか、そのインターンは落とされてしまったのですが、

上のように自分の考えがはっきりした部分があるので別に後悔はありません。

就活はまだまだ駆け出し。頑張りますよー。

それでは。

4 件のコメント:

  1. お久しぶりです。以前ヘルシンキ大学への留学についてご相談させていただいたものです。えりかさんに詳しいアドバイスをいただいたおかげで、無事にvisiting student として受け入れてもらえることになりました。本当にありがとうございました。
    そこでまたご相談なのですが、えりかさんはどのようなところに住まれていましたか?住居を決める際のアドバイスなどいただければ幸いです。

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    1. Aya.Jさんお久しぶりです。コメントありがとうございます。
      Visiting Studentとして受け入れが決定したとのこと、本当に嬉しいです。おめでとうございます!
      ブログやってて良かったな、と思えました。報告ありがとうございました。
      家探しについてはこちら(http://runtheworldbyerika.blogspot.jp/2014/09/blog-post_5.html)の記事にも書いたのですが、Visiting Studentの最難関と言えます。まずはHOASになるべく早く申し込みましょう。HOASの物件は立地は良くないですが、フラットメイトもヘルシンキ大学の留学生ですし、会社の斡旋になるので安心かと思います。
      わたしは絶対中心部に住みたかったので、facebookグループの中で部屋を貸してくれる人と個人契約しました。ただこの方法だと現地に着くまで確認できないので、怖いです。もしHOASの部屋が取れなくて、個人契約しなければならなくなったら、できる限り信用できる人か、詐欺ではないか、確かめて下さい。最悪わたしのフィンランドに住む友人に場所を確かめてもらえますので、もしフィンランドにお友達がいなくて、家が本当にあるのか不安…という状況になったら、aa.erika.aa@gmail.comまでメールください。何かお力になれると思います。

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  2. お返事ありがとうございます。やはり家具なし・郊外は困るので、わたしもFacebookページの方を中心に探すことにしたのですが、もしよろしければエリカさんがお部屋を借りられた女性を紹介していただくことはできませんでしょうか?

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    1. ご紹介したいのはやまやまなのですが、わたしに部屋を貸してくれた女性は50歳近くで明らかに更年期障害の症状が出ていました。特にわたしが滞在していた後半はひどく、何か気に入らないことがあればわたしにガンガン八つ当たりするようになり、とても辛かったのをひしひしと思い出します。そのような状態でヘルシンキを出たので、その女性とはもう連絡を一切取っていません。ご紹介に関してはお力になれなくて申し訳ありませんが、とりあえずhoasに申し込んでおいて、facebookグループを活用して探す方法をおすすめします。

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